腕時計の革ベルトから汗染みや臭いを落とす掃除法

革の性質

 

 

さて、革の性質についておさらいしておきましょう。革製品を水で洗濯した場合、硬くなったり縮んだり、風合いも悪くなりますが、これは革のタンパク質繊維が影響しています。革は水が滲み込むとタンパク質繊維内にある成分が溶け出して組織が壊れ、そのために硬くなったり縮んだりするのだそうです。

 

つまり、革は水洗いするとダメ!というのが常識だったのです。クリーニング店でも、革製品を水洗いしてはダメという考えがやはりあります。従って、多くのクリーニング店では、水を使わない洗浄方法である「ドライクリーニング」で革製品に対応しています。

 

ドライクリーニングとは、水を使用しないで油系の溶剤を使う洗浄方法です。これで油汚れはしっかり落ちますが、水は油に溶けないですから、水洗いでしか落とせないような食べこぼし、汗、カビ等はなかなか落ちにくいのです。

 

クリーニング店では、革が縮むのを避けるために水洗いはせず、スプレーで色を塗って汚れを隠す作業をします。つまり汗汚れは落ちていないわけで、もちろん臭いもそのままということになってしまいます。溶剤のイヤな石油の臭いも衣類に移ってしまう場合もあります。

 

腕時計の革ベルトをクリーニング店に出すことは無いですが、原理はいっしょで、衣類よりも肌との密着度が高い分、汗汚れを落とすのは、もっと難しいという事になるでしょう。